コロナ・ニュース == Corona News
☆★ 独日フォーラム・エルベ == コロナ・ニュース == Corona News★☆
ハンブルクと近郊にお住まいの日系の皆様
皆様には日ごろご厚情にあずかりまして御礼申し上げます。
コロナパンデミーが長引く今日ですが、ドイツでも少しづつCovit19ワクチン接種が始まっています。各地に設置された接種センターに平行してホームドクターでの接種も始まりましたが、様々な優先グループやめまぐるしく更新される法令・規定を前にして、特にドイツ語を母国語とされない皆様は困惑することも多々あるかと思います。その様な状況下、公益法人・独日フォーラム・エルベ にコロナ予防接種に関してのお問い合わせが日ごとに増えています。私共の提供できるサポートは限られた内容ではありますが、少しでも皆様のお役に立ちたいと思っております。皆様には本サイトにて本会の対応やお役立ち情報についてご案内いたします。以下ご参考になさってください。
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皆様へのコロナ関係のニュースレターや情報提供は日ごろご厚情をいただいています邦人の皆様に公益団体独日フォーラム・エルベと DJ aktiv Serviceとの協力事業の一環として行われています。
コロナ予防接種に関して
(お住まいの地域により予約・接種のルールに違いがあります。また、ルールは日々変更があります)
・予約と接種は現在主にホームドクター(かかりつけ医)とワクチンセンター(Impfzentrum)などで行われています。
・シュレスヴィヒ-ホルスタイン州、ピネベルクの公式ホームページ
(英語に切り替えることもできます)
Corona vaccination in the Pinneberg district (kreis-pinneberg.de)
Coronavirus – Impfung – schleswig-holstein.de
ハンブルク市の公式ホームページ(英語)
What’s Important: COVID-19 Regulations in Hamburg – hamburg.com
恐れ入りますが、接種センターのご予約取得は(特殊な例外のケースを除き)接種センターに直接なさっていただけますようお願いいたします。
・公益団体協力医院・ホームドクターのDr. Eipperを以前に受診されたことのある方でコロナ予防接種をご希望の方は担当通訳までお問い合わせください。これまでホームドクターをお持ちでない方で、公益団体協力医院・Dr. Eipper をかかりつけ医者(ホームドクター)にご希望される方も同じく受付可能です。Dr. Eipperでは本会との協力事業の一環として医療通訳派遣事業が開催されいています。コロナ予防接種に関しては6人以上のグループ接種に対しての通訳派遣が可能です。接種 は現在優先グループのみ予約枠の空がある範囲にてうけつけています。ワクチンの種類は優先的にAZ (アストラゼネカ )になります。それ以外の接種、(例としてBIONTECHワクチンの)予約受付開始は、7月以降になります。 【それぞれの地域やホームドクターでも対応が少しづつ違います。ご自分のホームドクターをお持ちの方は直接そちらでお問合せください。】
・ 医療通訳部門を中心として協力事業が行われているDJ Aktiv Serviceについては www.dj-aktiv.de にて詳細をご確認ください。
本会では皆さまのため、コロナ予防接種関係のご相談対応に努め、医療施設受診と接種時に役立つ各種独日バイリンガル・フォーム (予防接種の説明、同意書、健康状態、既往歴質問票等)も御用意しております。
少しでも早いコロナ収束と皆様のご健康を願っております。
2021年6月更新・DJFE福祉部より
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プレス情報DJFE e. V.
掲載日:2020年4月28日 – 掲載媒体: Hamburger Abendblatt – 執筆者:中島眞樹
寄稿:我々DJFE会員および医療部門顧問でもある中島眞樹先生はハンブルクの新聞Hamburger Abendblattにコロナ対策に関する記事を寄稿されています。ぜひご覧ください。https://www.abendblatt.de/leserbriefe/article228995319/Briefe-an-die-Redaktion-28-April-2020.html
また中島先生はコロナに関する情報をまとめ、私見を交えたコラムを執筆してくださいました。
Dr.中島氏より –コラム『コロナウィルスとは』
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コロナウイルスとは
新型コロナウイルスの大きさは、0.0001mm、細菌の大きさは、0,001mm以上、細菌は少なくともコロナウイルスの10倍の大きさがあります。唾液などによる飛沫の大きさは、0.005mm。コロナウイルスは電子顕微鏡でしか観察できません。
ウイルスは細胞質を持たず、蛋白質と核酸(RNAかDNA)からなる粒子で、エネルギー代謝に必要な装置を持っていません。新型コロナウイルスは遺伝情報として、RNA核酸を持っています。このウイルス粒子の外側には、エンベロープ(envelope)と言う脂質で出来た二重の膜があります。消毒用アルコールで、手を洗浄しますとこの脂質の膜が壊され、ウイルスによる感染力が消失します。私は毎日、胃袋をアルコールで消毒しています。(この発想はトランプ的?)
ウイルスは代謝系を持っていませんので、単独では増殖出来ず、他の生物内に侵入して粘膜に付着、細胞の中に入り込み、増殖します。熱に対しては細菌よりも抵抗力が強く、特に乾燥、低温に対する抵抗力は細菌よりもはるかに強力です。
ウイルスの生存時間
ウイルスの生存時間は、空中での飛沫で3時間、銅板、銅製のコインは4時間、紙或いは紙製の箱は24時間、プラスチックの箱は2~3日、合金鋼で出来たドアの取っ手は2~3日です。自宅以外でトイレを使用する時は、トイレを出てから手を洗うのが最適ですが、それが出来ない場合はちり紙を使ってドアの取っ手の開け閉めをしましょう?とまで気にする必要はないと思いますが、なるべくなら手で食したり、手で鼻や口の周りを触らないようにすることが大切です。
コロナウイルスには、色々な種類( Alpha,Beta,Gamma,Delta )があります。新型コロナウイルスはBetaコロナウイルスに属し、Betaコロナウイルスにも4種類あります。
① 風邪のコロナウイルス、人に日常的に感染するウイルスで軽症
② 重症急性呼吸器症候群( SARS-coV )、2002年、中国広東省で発生、このウイルスはある種の蝙蝠に自然宿主
③ 中東呼吸器症候群( MERS-coV )2012年、サウジアラビアで発生、ヒトコブラクダに宿主するウイルス
④ 新型コロナウイルス、SARS-coV-2、Severe Acute Respiratory Syndrome coronavirus-2, WHOは2020年2月、新型コロナウイルスによる疾患を COVID-19、Coronavirus Disease2019 と命名しています。
②、③の際、医療研究者はコロナウイルスに対するワクチンを作るべきであったと思いますが、それを怠っています。ただ、新型コロナウイルスへどれだけ効果があるのかは未定です。新型コロナウイルスの到来は、2003年、2013年には既に予想されていたはずです。
ドイツと日本の違い
日本におけるテストで確認された新型コロナウイルスの感染者、及び死亡者数は両方ともドイツの10分の1、その理由は何かを考えてみました。
- ドイツでは、Altesheim,或いはPflegeheimに入居している老人が非常に多い。
私の住む小さな町、Ahrensburg (人口、3万5千人)にも、5つの施設があります。新型コロナウイルスの感染者は、65歳以上が大多数を占めます。特に死亡者の86%が70歳以上の老人です。そして、Heimでの感染者、死亡者が多くなっています。それに比し、日本の高齢者の多くは自宅かアパートに居住しており、コロナウイルスの感染の機会が少ないようです。
② マスク着用が日本では早期から徹底しているため、他人への感染がかなり防止されている。
韓国でも中国でもマスク着用は義務です。このマスク着用で両国ともかなりの感染が防止できたと思われます。ドイツでもマスク着用は義務づけられていますが、着用しなくても罰せられません。コロナウイルスの政策に反対しているデモンストレーションの参加者のほとんどがマスクを着用していません。これは驚くべきことです。
新型コロナウイルスに罹患しているかどうかのテストは、ドイツでは、発熱、咳嗽、呼吸困難の患者を開業医が診断し、その開業医が診断結果に基づいてテストするかどうかを決定します。これは全くの医者任せの医療行政で、これでは統計学的な集計は不可能です。
テストに要する費用は、健康保険ではなく国が持つべきであり、このテストは本来全ての人に義務付けるべきであったと思いますし、今も義務付ける必要があると思っています。今頃になって子供や、Heimに住む人々のテストをしようとしています。
私は3月初めから、「マスク着用を義務付けること」、「全てのドイツ人にコロナウイルスのテストを実施する必要性」を説いていますが、今まで全く実現されていません。
③ 私の推測では、新型コロナウイルスはEuropaで、Mutation(突然変異)を起こし伝染力の強い、悪性のウイルスに変化したと思っています。
そのようなことから、日本、韓国、中国のウイルスには比較にならない程、ドイツの感染者、死亡者が増加したのです。
新型コロナウイルスの情報を集めてみました。情報だけで1冊の本になりそうです。
中島眞樹
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日時:2020.06.25 – 執筆者:平岡大輔 – コロナ警告アプリまとめ
ハンブルク在住の平岡氏がコロナ感染対策のスマートフォン用アプリについて記事を書いてくださいました。このアプリは過去14日間に接触した人の感染状況を把握し、感染リスクを計算するというもので、ドイツ政府から推奨されています。
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ドイツのコロナアプリ(Corona-Warn-App)に関して
https://www.rki.de/DE/Content/InfAZ/N/Neuartiges_Coronavirus/WarnApp/Warn_App.html
https://www.hamburg.de/corona-warn-app/
先週(6月16日)からドイツ国内でコロナ感染対策の一環として、スマートフォンのアプリが発表・公開されています。これはロバート・コッホ研究所(RKI)がドイツ連邦政府の支援の下にリリースしたものです。これはこれまでの感染対策の基本であった手洗い等の衛生措置・最低1.5メートルの間隔を空ける義務・マスクの着用義務と同等の位置づけとすることができます。
(Deshalb ist die App neben Hygienemaßnahmen wie Händewaschen, Abstandhalten und Alltagsmasken ein wirksames Mittel, um das Coronavirus einzudämmen.)
そのためドイツ連邦政府は専用サイトでこのアプリの利用を推奨しています(義務ではありません)。
https://www.bundesregierung.de/breg-de/themen/corona-warn-app
この点でこのアプリは感染対策として重要な決め手の一つとされています。以下に挙げるように効果が出るほどの結果が出るまでには、若干時間がかかると思われるのですが、インストールして起動させておく価値はあると判断できます:
アプリのしくみ
アプリをスマホにインストールしてリスク検知(Risiko-Ermittlung)をオンにすると、スマホのブルートゥース信号が周囲にいる人が持っているスマホ(同じアプリを起動している事が条件)と交信し、その人物との距離を測りそのデータをスマホ内に保存します。
(Die Corona-Warn-App misst mittels der Bluetooth-Technik den Abstand zwischen Personen, die die App installiert haben, und ermöglicht, dass sich das Smartphone diese Begegnungen merkt.)
この際に両者のスマホの間でランダムに作成され暗号化されたコードを交信します。
(Dafür tauschen die Geräte untereinander temporäre verschlüsselte Zufallscodes (Bluetooth-ID) aus.)
起動中のアプリは毎日複数回専用のデータを扱うコンピュータ(Corona-Warn-App-Server)に接続してそこで公開されている陽性感染者の認識データをダウンロードします。それをもとにしてスマホ内でこれまでに交信され保存されているコードの中に陽性感染者のものが含まれているかを調べます。
(Alle aktiven Corona-Warn-Apps laden mehrfach täglich vom Corona-Warn-App-Server die dort veröffentlichten sogenannten Positivkennungen herunter und übergeben sie gesammelt über eine Schnittstelle an das Betriebssystem. Dort wird geprüft, ob empfangene und aufgezeichnete Zufallscodes vorliegen, die zu einem Zufallscode des positiv getesteten Nutzers passen.)
もしデータの一致するコードがあった場合、感染リスクを算出して想定されるリスクレベルについてメッセージが表示されます。
(Im Falle einer Übereinstimmung wird in einem mehrstufigen Verfahren das Übertragungsrisiko bestimmt und die Nutzerin bzw. der Nutzer per Mitteilung über die mögliche Risikobewertung informiert.)
このプロセスでは、スマホの持ち主についての情報や位置情報が特定されることはありません。
(Zu keinem Zeitpunkt erlaubt dieses Verfahren Rückschlüsse auf die Nutzerin/den Nutzer oder den Standort.)
また、この交信されたコードの感染者データとの比較はデータ保護の観点からリアルタイムでは行われません。スマホには「誰」が感染者かという情報はなく、近くに感染者と特定された人が所持していたとされるスマホがあったという情報のみが存在することになります。
(Eine Reaktion in Echtzeit darf die Lösung aus Gründen des Datenschutzes nicht ermöglichen. Das eigene Smartphone hat keine Informationen darüber, wer infiziert ist. Es weiß lediglich, dass es in der Nähe eines anderen Smartphones war, auf dem ein verifiziertes positives Testergebnis hinterlegt wurde.)
このプロセスで使用され、スマホ内に保存されるコードは14日後には自動的に消去されます。
(Zufallscodes werden automatisch gelöscht, wenn sie 14 Tage alt sind.)
つまり過去14日以内にこのアプリを通してコードを交信したすべての人について、毎日数回その人が感染者だったか(本来だったらその場にいてはならないわけですが)、その後感染者になったかを調べ感染リスクを計算するというものです。
このアプリのメリット
– 14日以内に感染リスクのある空間にいたという情報を得ることによって対策をとることができます(アプリが必要な情報を提供します)。これによって自分自身が感染リスクを広げることを防ぐことにもなります。
– もし自分が感染したと判明した場合、そのアプリに申告することによって過去14日間以内にコードを交信したすべてのスマホ(とその持ち主)にその情報を伝えることができ、さらなる感染のリスクを下げることになります。
– このアプリによって、人の多い場所に滞在していたとしても感染の連鎖を防ぐ情報が提供されることになり、これまでの制限の緩和をさらに継続・拡大させていくための一助となります
– スマホ同士でのブルートゥースによる交信では各自のデータはランダムに暗号化されるため匿名性が確保されます
– アプリはオープンソースソフトウェア(OSS)としてプログラムの全コードが公開されていて(https://github.com/corona-warn-app)、ソフトウェアの透明性が保証されます
– 陽性と判断された人にのみ発行されるQRコードがあり(もしない場合は本人確認の上パスワードを発行)、それを入力できる場合のみ感染者として設定できるため不正な設定を防止できる仕組みになっています
このアプリのデメリット
– アプリ及びブルートゥースを常に起動させていなければなりません
– アイフォンあるいはアンドロイドの特定バージョン以降のスマホでのみインストールが可能なため、これに対応したスマホを所持している必要があります
– そもそもこのアプリのしくみが意味を持つためには感染者自身が自分のスマホにこのアプリをいれ、さらにそこで感染者であるとの設定をしている必要があります。しかしアプリのインストール・起動を含め、感染者としての設定はすべて任意なので、何らかの理由で感染者としての設定をしていない人が近くにいたとすると用をなさない事になります。
この最後の点が一番大きな弱点だといえます。感染者自身が自ら協力してくれないとこのアプリは結局意味がないのです。感染者が協力してくれていると信じるしかないのです。そのため、より多くの感染者がアプリを使用し、自分も感染した際にはそのように設定する必要があるため、このアプリが本当に効果的なものになるまでには若干時間がかかると思われます。
それでも、今後制限がさらに緩和されていくにあたって、このアプリは「うまく普及すれば」確かに非常に有用なものになると考えられます。
私(幹事)は実際にこのアプリを起動して今日(6月25日)の時点で6日経ちますが、まだ感染リスクも推計できる状態ではないようなので、今後も注視していきたいと考えています。
コロナウィルスは飛沫感染(Tröpcheninfektion)型の、呼吸器系の疾患(respiratorische Erkrankungen)を引き起こすウィルスです。そのため感染者から発せられた飛沫に含まれたウィルスが呼吸器系に達することがないように、手洗い等の衛生措置が推奨されます。また公共の場では他人と1.5メートルの間隔を空けることが義務化され 、屋内のマスク着用も義務化されています。
今後制限が緩和されていくという事は、公共の場にいる人が多くなっていくという事です。お店のオープンが可能になったとき、人の増加に対してとられた対策が「マスク着用の義務化」でした。今後各種イベントが許可され、禁止されていたサービス・行動が可能になっていけば、さらに人の量が増えます。これに対して取られる次のステップがこのアプリなのです。
メルケル首相:「このアプリを利用する人々は、コロナウィルスを今後もコントロールし続けるための貢献をしている事になります。このアプリは我々に付き添い、守ってくれる存在として感染の連鎖を断ち切るための助けとなり得ます。多くの人が協力すればするほど、このアプリの効果は高まるのです。まだアプリを利用していない方に、このアプリをダウンロードして利用されることを是非ともお願いします。」
(Jede und jeder, der die App nutzt, leistet einen Beitrag dazu, das Virus auch zukünftig unter Kontrolle zu halten. Die Corona-Warn-App kann zum “Begleiter und Beschützer” werden und dabei helfen, Infektionsketten zu unterbrechen. Je mehr mitmachen, desto größer ist dieser Nutzen. Ich möchte auch diejenigen von Ihnen, die es noch nicht getan haben, herzlich bitten: Laden Sie die kostenlose App herunter und nutzen Sie sie.)
データ保護が厳重なドイツではこのアプリが義務化されることは現状では考えにくく、そのためドイツ連邦政府はこのアプリを「推奨」することが「感染対策としてのマスク着用の次なるステップ」として、最善策であると考えています。
よって、これまでの各種制限・義務と同じように、外国人としてこの国に生活している人たちも、この「推奨」を受け入れ、感染対策に協力し、今後制限が緩和され続け、少しずつ普通の生活へ戻っていくために貢献する必要があるのではないでしょうか。そういった意味でも、是非一度このアプリを使ってみてはいかがでしょうか。:)
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2020年6月DJFE福祉部より